2014年1月28日火曜日

森の中10

(昨日のつづき)
 
 昨日、空が赤く染まった頃に、赤ら顔の森の家の手伝い女が「今晩の日付が変わる時間に森の家に来るように」コウとサクとジュンのそれぞれに言いに来た。その夜、三人の男たちは連れ立って森の家に向かって歩いていた。ふうとあらわれた風が、道の両脇の草原を倒しながら、三人を追い越し通り過ぎていく。
 森がある限り村に災いは起らない。森の家は森を守るためにある。

(つづく)

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